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花がふってくる花がふってくる
崎谷はるひ / 今市子
フロンティアワークス
ダリア文庫 2008-5-20

大学助手の蓮実秋祐は、いとこの袴田涼嗣と同居している。
同い年のくせに、際限なく甘やかしてくる涼嗣に、秋祐は密かに恋をしていた。
近すぎる距離があたり前になっていた二人だったが、涼嗣が恋人・理名との結婚を決めたことから事態は大きく動き始める。
秋祐は涼嗣への想いにピリオドを打ち、離れる決心をするが――。
袴田涼嗣(はかまだりょうじ・28歳)×蓮実秋祐(はすみあきひろ・28歳)
証券会社ディーラー×大学昆虫学助手、幼馴染で従兄弟同士。

崎谷さんと今市子さん。なんとなくミスマッチに思えましたが、読んでみると雰囲気に違和感はありませんでした。
時代は現代ですが、静岡の素封家の本家(攻)と分家(受)出身という設定で、今でも時代がかったしきたりを持つ名家の子息はいかにも今市子さんな感じ(笑)。
あとがきにありましたが、このお話の骨子を考えたのは15年程も前のことだそう。思いいれも大きい作品のようです。
読み始めの静かな雰囲気と、今市子さんのイラスト効果とで、最初はなんとなくいつもの崎谷さんと違うかな~と思っていましたが、読み進むとそこかしこにやはり崎谷さんのテイストが感じられます。
しかし、大きく違うのはHがしつこくない(笑)。いえ、もちろんそれなりにはしつこいですけど(笑)、崎谷さんのHに辟易(個人的嗜好の問題)している身としては、非常に有難い按配でございました。


幼い頃からいとこ同士として一緒に日々を過ごした秋祐と涼嗣は、中高大と距離を置いた生活を送りますが、秋祐が大学助手として東京に残るのをきっかけに、東京で就職していた涼嗣のマンションで同居をしています。
理由は秋祐に生活能力がないため。もともと病弱で家族親戚に甘やかされて育った秋祐が実家に帰って来ないことに激怒した父親を納得させるため、涼嗣がそのお目付け役として秋祐を引き受けることで秋祐の東京での生活が許されることになったのです。

周囲からは、子供っぽく頼りなく見られている秋祐ですが、実はその内面はそれなりに大人で、幼い頃から涼嗣に抱いている恋心を隠し続け、セフレもいて(実際には出てこない)、涼嗣のこともとてもよく見ている。
涼嗣は、その性格も容姿も勉学も仕事も、それこそ幼い頃から何もかもに秀でた「できた」人物だが、「出来すぎ」の感があり、あまりに優秀な故、その視点は自然に常に人より上にあって、周囲への無自覚の傲慢さを滲ませる。出来すぎた人故に、配慮が足りないというか情緒欠陥気味で鈍感。
秋祐への過剰な保護欲を持っていますが、周囲に頓着しない涼嗣が、秋祐だけはベタベタに甘やかし可愛がるのに、自分で「結婚する」と決めてから「結婚したら秋祐を失う」ことに気づく、呆れた鈍感の大バカモノです(笑)。

二人が他人だったらもっとすんなり行ったかもしれないし、もっと早くに駄目になっていたかもしれませんが、従兄弟同士で、『家』のしがらみや結びつきが強く、恋を自覚する前もした後も『親戚』としてそばにいる状態というのは、変化するには大きなきっかけが必要なのかもしれません。
「名前のない関係」だったら・・・というのは、なるほどと思いましたね。
駄目になっても親戚、つきあうことになっても、二人の場合は旧家がついてくる。

全体的に、古風な静かな印象ですが、派手な出来事で展開を動かすよりも、丁寧に気持ちを書いてくれる方が好きなので、そういう意味では好みです。
涼嗣が見る秋祐と、実際の秋祐との違いが面白いなとおもった。
ホントに涼嗣って優秀なのにとことん目がくらんでる人なんだ(笑) 
彼女の理名(りな)も相当に可哀相だと思った。
この男は相当罪作りですよ。
秋祐もですけど、この涼嗣も、よく考えると崎谷さんらしいキャラだったですね。
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