![]() | 極悪紳士と踊れ 佐々木禎子 / 汞りょう 徳間書店 キャラ文庫 2008-05-23 by G-Tools |
火事で焼け出されて、家も仕事も失った裕介。そこへ救いの手を差し伸べたのは、高校時代の先輩でカフェを経営する豊だった。
全てを見透かすような眼差しが苦手で、豊が大嫌いだった裕介。けれど豊は、なぜか家賃も取らず店の2階に住まわせてくれるという。
一方的に翻弄されていたあの頃とは違う――。警戒する裕介だけど、「俺たちは好き同士だから反発してたんだ」と強引に迫られて!?
全てを見透かすような眼差しが苦手で、豊が大嫌いだった裕介。けれど豊は、なぜか家賃も取らず店の2階に住まわせてくれるという。
一方的に翻弄されていたあの頃とは違う――。警戒する裕介だけど、「俺たちは好き同士だから反発してたんだ」と強引に迫られて!?
青柳豊(あおやぎゆたか・26歳)×藤元裕介(ふじもとゆうすけ・25歳)
高校の元先輩と後輩。
再会もの。
勤めていた店がマスターの借金と夜逃げによってつぶれ、住んでいたアパートが火事で全焼し仕事も家も失くした裕介は、友人の木下(きのした)に、カフェの住み込みのアルバイトを紹介されます。
しかし喜んで出向いてみると、カフェ「欅月(けやきむーん)」の店長は、高校時代、犬猿の仲だった先輩・豊でした。
致し方ない状況に働きはじめるものの、性格が合わずに苛々する裕介。
しかしひょんなことから寝てしまい、また仕事を通して豊の素顔を知って裕介は少しずつ豊に惹かれていきます。
ところが、豊は、やはり高校時代からの親友で裕介にとっても先輩である今井(いまい)を好きらしい。
実は裕介は高校時代今井に片想いしていました。
そしてやはり同じように今井を好きな豊が裕介の気持ちに気づいていて、牽制するために自分と寝たのでは?と裕介は考えます。
豊と今井の仲睦まじい様子は恋人同士のようで、豊が告白すればすぐに両想いになれそうに思える。
そんなある日、以前勤めていた店のマスターを探す借金取りが裕介を訪ねて豊の店にまで押しかけてきて騒動を起こし、その噂が広がって客足が遠のいてしまいます。また、豊と言い争った拍子に沸騰する薬缶のお湯をかぶりそうになった裕介を庇って豊が火傷をしてしまう。
今井への嫉妬や片恋の切なさに加え、豊に迷惑をかけてばかりいる・・・と憂えた裕介は、今井にアルバイトを譲り、店を辞めると告げるのですが。
10代の頃、いつも自分をからかったり苛めたりしていた大嫌いな先輩。先輩から見ると、自分に対していつもつっけんどんにカリカリ怒ってばかりいた後輩。
自分も相手が嫌いだし、相手からも嫌われていると思っていた相手と年を経て再会して、その頃よりはちょっとは大人になっているから、もっと上手くやれるかなとか、やっぱり変わってないなとか、その時は見えなかった素顔がちょっと大人になったことによって見えてきて、意外にいい人なんだと思い直して見たり、実は過去のアレも意地悪ではなかったのかな?なんて・・・大人になったからこそ感じ方が変わって印象も変わる、そんな微妙な感じがよく出ていました。
再会して最初は反発しててもやがて惹かれていく・・・というのもわかりやすい展開でした。
読んでいる方は本音もわかりやすいし、高校時代の犬猿の仲というのも本人たちが気づいてないだけで、気になってしょうがないからからかってみた・・・とか、惹かれるから反発してみたとかいうことですしね。
簡単そうなことなのに、しかしひっつくまでに素直になれなかったり、とんでもない誤解をしたりと回り道するわけですけど・・・・。
ちょっとその「誤解」の仕方がわざとらしかったかなぁ・・・。
そもそも本当に豊が今井を好きなら、わざわざ今井の代わりに裕介を近くに引き寄せておいてから牽制することないわけですからね。それまで会ってなかったんだから、遠ざけたままうっちゃっておけばいいんだし。アルバイトに呼んだ時点で何某かの想いがあると考えるのが普通だと思う。
お仕事と恋愛のバランスはとてもよかったと思います。
ただ、受けの思考に無理があり過ぎて同調できなかったのと、攻のタイプがちょっと好みではありませんでした。
ただ好みの問題で、お話としては、反発しあったり、対等になりたいと努力したり、それぞれ頑張る男たちで、好みが合えば面白いだろうと思います。
受が火事で焼け出されてしまうのですが、冒頭のそのシーンの描写、実は佐々木さんご自身が火事に合われ、ブログでずっと様子も拝見していたので、その心理も実体験だよな、作り事じゃないんだよな、と思うとちょっとリアルにキてしまいました。
火事は怖いですね。
高校の元先輩と後輩。
再会もの。
勤めていた店がマスターの借金と夜逃げによってつぶれ、住んでいたアパートが火事で全焼し仕事も家も失くした裕介は、友人の木下(きのした)に、カフェの住み込みのアルバイトを紹介されます。
しかし喜んで出向いてみると、カフェ「欅月(けやきむーん)」の店長は、高校時代、犬猿の仲だった先輩・豊でした。
致し方ない状況に働きはじめるものの、性格が合わずに苛々する裕介。
しかしひょんなことから寝てしまい、また仕事を通して豊の素顔を知って裕介は少しずつ豊に惹かれていきます。
ところが、豊は、やはり高校時代からの親友で裕介にとっても先輩である今井(いまい)を好きらしい。
実は裕介は高校時代今井に片想いしていました。
そしてやはり同じように今井を好きな豊が裕介の気持ちに気づいていて、牽制するために自分と寝たのでは?と裕介は考えます。
豊と今井の仲睦まじい様子は恋人同士のようで、豊が告白すればすぐに両想いになれそうに思える。
そんなある日、以前勤めていた店のマスターを探す借金取りが裕介を訪ねて豊の店にまで押しかけてきて騒動を起こし、その噂が広がって客足が遠のいてしまいます。また、豊と言い争った拍子に沸騰する薬缶のお湯をかぶりそうになった裕介を庇って豊が火傷をしてしまう。
今井への嫉妬や片恋の切なさに加え、豊に迷惑をかけてばかりいる・・・と憂えた裕介は、今井にアルバイトを譲り、店を辞めると告げるのですが。
10代の頃、いつも自分をからかったり苛めたりしていた大嫌いな先輩。先輩から見ると、自分に対していつもつっけんどんにカリカリ怒ってばかりいた後輩。
自分も相手が嫌いだし、相手からも嫌われていると思っていた相手と年を経て再会して、その頃よりはちょっとは大人になっているから、もっと上手くやれるかなとか、やっぱり変わってないなとか、その時は見えなかった素顔がちょっと大人になったことによって見えてきて、意外にいい人なんだと思い直して見たり、実は過去のアレも意地悪ではなかったのかな?なんて・・・大人になったからこそ感じ方が変わって印象も変わる、そんな微妙な感じがよく出ていました。
再会して最初は反発しててもやがて惹かれていく・・・というのもわかりやすい展開でした。
読んでいる方は本音もわかりやすいし、高校時代の犬猿の仲というのも本人たちが気づいてないだけで、気になってしょうがないからからかってみた・・・とか、惹かれるから反発してみたとかいうことですしね。
簡単そうなことなのに、しかしひっつくまでに素直になれなかったり、とんでもない誤解をしたりと回り道するわけですけど・・・・。
ちょっとその「誤解」の仕方がわざとらしかったかなぁ・・・。
そもそも本当に豊が今井を好きなら、わざわざ今井の代わりに裕介を近くに引き寄せておいてから牽制することないわけですからね。それまで会ってなかったんだから、遠ざけたままうっちゃっておけばいいんだし。アルバイトに呼んだ時点で何某かの想いがあると考えるのが普通だと思う。
お仕事と恋愛のバランスはとてもよかったと思います。
ただ、受けの思考に無理があり過ぎて同調できなかったのと、攻のタイプがちょっと好みではありませんでした。
ただ好みの問題で、お話としては、反発しあったり、対等になりたいと努力したり、それぞれ頑張る男たちで、好みが合えば面白いだろうと思います。
受が火事で焼け出されてしまうのですが、冒頭のそのシーンの描写、実は佐々木さんご自身が火事に合われ、ブログでずっと様子も拝見していたので、その心理も実体験だよな、作り事じゃないんだよな、と思うとちょっとリアルにキてしまいました。
火事は怖いですね。
この記事へのコメント
こんにちは、mimuさん。
この本は、買おうかどうしようか本屋さんでギリギリまで迷ったものです。でも、買いたいと思わせてくれる決定的な何かがなかったんですよね。
素直になれずにすれ違うというのは、BLではありふれた設定なので、そこにキャラの性格とか環境とか、よほど引かれるものがないと手が出ません。
>火事は怖いですね。
地震・雷・火事・木原音瀬さんです(笑)。最後のは怖いの意味が違うって・・・
。
この本は、買おうかどうしようか本屋さんでギリギリまで迷ったものです。でも、買いたいと思わせてくれる決定的な何かがなかったんですよね。
素直になれずにすれ違うというのは、BLではありふれた設定なので、そこにキャラの性格とか環境とか、よほど引かれるものがないと手が出ません。
>火事は怖いですね。
地震・雷・火事・木原音瀬さんです(笑)。最後のは怖いの意味が違うって・・・

こんにちは、桃さん。
展開がありきたりでもキャラが好きとか小さな萌えがあれば楽しめるんですけどネ。
今回は展開はともかく主人公が、いいヤツラだけど何か好みではないというかんじでした。
木原さんを読むときは確かに「恐々」ですねぇ(笑)
“オヤジ”はもうランクからは外れたかもしれませんね。
でもこの間の木原さんの“オヤジ”は怖くなかったですよ(笑)
展開がありきたりでもキャラが好きとか小さな萌えがあれば楽しめるんですけどネ。
今回は展開はともかく主人公が、いいヤツラだけど何か好みではないというかんじでした。
木原さんを読むときは確かに「恐々」ですねぇ(笑)
“オヤジ”はもうランクからは外れたかもしれませんね。
でもこの間の木原さんの“オヤジ”は怖くなかったですよ(笑)
2008/06/06(金) 08:27 | URL | mimu #-[ 編集]
こんにちは、mimuさん。
発売日には迷ったのに、結局買ってしまいました(爆)。再会物に弱いんだなあと自覚しましたよ。
攻めがジャイアンみたいだったら、更に萌えだったのにと思ったりしました。
そうそう、カフェのことも冒頭の受け君が焼け出されるシーンも体験談から来てるんですね。さすが、作家さん、転んでもただでは起きないというか(笑)。
まあ、そこそこ面白かったです・・・そこそこですが。
発売日には迷ったのに、結局買ってしまいました(爆)。再会物に弱いんだなあと自覚しましたよ。
攻めがジャイアンみたいだったら、更に萌えだったのにと思ったりしました。
そうそう、カフェのことも冒頭の受け君が焼け出されるシーンも体験談から来てるんですね。さすが、作家さん、転んでもただでは起きないというか(笑)。
まあ、そこそこ面白かったです・・・そこそこですが。
こんにちは~。
発売時にもコメントいただいてたんですね(笑)
ありがとうございました。
私も再会ものは基本的に好きですね~。
でもこれはキャラがイマイチで。
面白いけれど、どこか「?」で、確かに“そこそこ”ですかね。
もう手元にないかも・・・(汗)
火事はコワイですよね。
確か佐々木さんはこの火事で愛猫を亡くされているのですが、ブログや作品からは伝わってこない喪失感とか悲しみは大きかったでしょう。
でもそれを書いてしまうところがやはり「作家」なのですね。
発売時にもコメントいただいてたんですね(笑)
ありがとうございました。
私も再会ものは基本的に好きですね~。
でもこれはキャラがイマイチで。
面白いけれど、どこか「?」で、確かに“そこそこ”ですかね。
もう手元にないかも・・・(汗)
火事はコワイですよね。
確か佐々木さんはこの火事で愛猫を亡くされているのですが、ブログや作品からは伝わってこない喪失感とか悲しみは大きかったでしょう。
でもそれを書いてしまうところがやはり「作家」なのですね。
2009/04/09(木) 07:47 | URL | mimu #-[ 編集]
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