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4403521967虹色スコール
砂原糖子
新書館 2008-09-10

by G-Tools

高校までべったりだった友人の池上と、大学に入ってから距離を置くようになっていた律也。池上の何でも分かったような顔が気に入らない。全てにおいて律也より勝っているのも、律也の好きな千鈴が池上に想いを寄せていることも――。
律也の態度に気づいていながら、そばを離れない池上。そんな池上の心の内を考えようともしない律也。
二人のベクトルが交わる日は来るの……?不器用同士の等身大の恋愛模様。

池上脩平(いけがみしゅうへい)×水野律也(みずのりつや)
大学3年生同士。

「虹色スコール」(雑誌掲載)
「天井のミルキーウェイ」(書き下ろし)

砂原さんがあとがきで仰ってるとおり「地味」なお話でした。
めずらしく、攻受共に「ヘンな人」じゃないよ(笑)
極々普通の、特に際立ったところのない、それなりにいい子でダメな子たち。
「やまなし、おちなし、いみなし=やおい」ということで、ホントに日常的な、大きな盛り上がりや華のないお話でした。

もともとこういう普通の人の恋愛話が好きなので、「地味」ということが私の場合はつまらない理由にはなりません。
むしろ好きだし、この世界も展開も好きなものでした。

ところが、雑誌掲載時に読んだときにも思ったんですけど、視点の律也にちょっと合い通じないものを感じまして、文句なく楽しめた・・・というわけにはいかなかったのでした。

田舎の学生だった過去の自分を知っている池上を、東京に出てきて遠ざけたくなる気持ちがわかるようなわからないような。
昔の恥を今の友人たちにペラペラ吹聴してネタにするようなやつだったら私も遠ざけたいですけど池上はそういうタイプじゃないですから。
「何でも自分より秀でている」池上に高校時代は散々甘えていたわけなので、急にコンプレックスを感じた理由もいまいちよくわからない。
自分が片想いしている女の子が池上を好きなのが気に入らなくて、そこがすべての出発点なら池上を避ける理由もわかるけど、どうもそれだけが元凶というふうには伝わってこなかった。
結局なんで律也は頑なになってるのかよくわかんないのでした(^^;
池上に恋してるのに気づいてなくてヘンに意識しちゃってた・・・というわけでもないらしい。

まあ、そんなんで律也の態度がちょっと腑に落ちなかったんですけど、二人の微妙な距離感とか、アパートの上下階に住んでのやりとりとか二人の生活とか、毎日の日常の中で起きる出来事や変化していく思いとかはやっぱり好きな世界だと思います。
書き下ろし「天井のミルキーウェイ」もそんな感じは変わりなく。
しかし、池上も「自己完結」のヘタレ人だったと知って、やっぱりキャラ的にはなんだかな、なのでした。
でも世の中、いつも自分の心の中が明快で態度もキッパリしてる人ばっかりじゃないよね。
その辺がこのお話が「普通で地味」な所以かも。
あら。
そういう特化するような華のない人たちで話を一本書いてしまう砂原さんが、なんだかとってもらしくて凄いような気がしてきました(笑)
コメント
この記事へのコメント
こんばんは~みむさん!

これ、届いてます!まだ箱の中から出してないけど・・(笑)
砂原さんには珍しく普通のお話なんですね?地味な?
でも、地味でも普通な日常を書いたお話って結構いいですよね?なんか・・落ち着けるって言うか?
そんな気がします。
2008/09/16(火) 02:57 | URL | 水月 #/fVvPWuA[ 編集]
>水月さん
こんにちは、水月さん。

読んでる途中、あれ?砂原さんだよね?とふと思ったりしました(笑)
大学生同士だし、たぶん水月さんも好きな『地味さ』じゃないかな~?と思いますよ~。
日常的なお話って、ちょっとホッとしますよね。
2008/09/16(火) 07:42 | URL | mimu #-[ 編集]
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