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4576081845三百年の恋の果て
海野幸/三池ろむこ
二見書房
シャレード文庫 2008-11-21

by G-Tools

白狐の像に封じ込められていた妖しの封印を解いてしまった彫物師の秀誠。紺と名乗るその妖しは、秀誠を三百年前に愛した男の生まれ変わりだと言い、いじらしいほどに一途な想いを寄せてくる。
「しまった、……可愛い」
これまで男を抱きたいと思ったことのない秀誠だったが、紺のひたむきさに、知らず心を惹かれはじめる。
しかし、紺から好意を寄せられるほどに、彼の過去の男に嫉妬を覚えるようになり――。
「三百年の恋の果て」(雑誌掲載)
「水鏡」(書き下ろし)
秀誠(しゅうせい)×紺(こん)
彫物師×白狐の化身
「光の先」(書き下ろし)
祥真(しょうま)×緋耀(ひよう)
神主×式神

以上三編です。
ファンタジーですね。
表紙の受に耳と尻尾がついてますが、そういうシーンはありません。

最初、「狐の恩返し」的な話なのかな?と思ったら、そうではなくもうちょっと切ない経緯のお話でした。
三百年の昔、愛する人に狐の像の封印されてしまうけれど、「待っていてくれ」という言葉を信じて百年待ち、次の百年は来ない恋人を待ち続けて泣き、その次の百年は恋人の裏切りを恨み復讐を誓いながら待っていた白狐の化身・紺。
長い年月の末に封印を解いたのが現代の彫物師・秀誠なのですが、秀誠は名前も顔立ちも職業も三百年前、紺を封印した恋人と同じ。

紺は生まれ変わりと信じているのですが、秀誠はある理由で人が生まれ変わることを絶対に信じようとしません。
そして秀誠の友人で神主の祥真によって、紺は封印の解けた翌日には消されることになってしまいます。
それまでの一晩だけ、秀誠は紺とともに過ごしてやることにしますが、紺のひたむきで一途な秀誠への想いや無邪気な微笑みや仕草に、秀誠にも特別な感情が生まれていきます。
設定は切ないけど、紺が大変可愛らしく、秀誠の朴念仁ぶりと相まってとても微笑ましく感じられるお話。

「水鏡」は、恋人同士となった秀誠と紺のちょっとした行き違い。
「三百年の恋の果て」は、1日の出来事なのでどうしても秀誠の気持ちの変化が早すぎるような気がしましたが、こちらの方が心理的には丁寧かもしれません。
秀誠がとことん生まれ変わりを信じてないのは残念ですけど。
でも多分、「違う」と思ってるのは秀誠だけでしょう。
作者も読者もキャラも含め(笑)。
ほらやっぱりそうだった・・・という確かなエピソードでもあれば良かったのになとちょっと思います。

「光の先」は先の二編では脇だった祥真と緋耀。
前の二人に比べると、話のトーンは少し大人っぽいかな? 
年齢は、この世に生まれた時から数えたら紺が一番上なんですけどね、ホントは(笑)。
緋耀と祥真はすでにつきあっているのかと思っていたんですがそうではなく、二人それぞれに複雑な想いが絡んでいて、なるほど、なかなか一歩を踏み出せなかったのはそういう訳か・・・と納得でした。

細かいところが書き足りないなぁ、もっと詳しく突っ込んで欲しいなぁと思う部分があるんですけど、全体的には好きでしたね。
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